留学生対象短期講座(2010年度)

2010(平成22)年度「留学生のための短期研修講座」

広島大学マスターズは次のような科目で留学生の短期研修をお手伝いしました。

1.2011.2.7 井上宣邦 「暮らしなかの無線」

 テーマは「くらしの中の無線」ですが,このテーマは広範囲であること,日本事情を中心とすることなどから、日本では厳しい法規制下にある放送と通信の概要とテレビジョンのしくみ(3色によるすべてのカラー色生成のデモ,フィールド数の差(5~30)による画像の動きの違い)などについて話をしました。
 設備の環境は、PPT、プロジェクタ―使用、インターネット接続可の状況です。又日本語はOKです。殆ど不用でしたが通訳が1人いました。会場は広大中央図書館閲覧室207(216から変更)。聴講学生は27名(男性は数人)。主として北京にある首都師範大学外国語学部日本語学科の学生が中心で私話、居眠り等なしで比較的熱心に話を聞いています。質問の有無などはこちらから問うと数件ありの状況です。

2.2011.2.8 有本 章 「日本の大学事情」

3.2011.2.11 安藤忠雄 「日本の環境問題」

 教室は学士会館の第1会議室で(黒川先生も同じですが)、円卓を囲んでの授業でしたが、不都合はありませんでした。ただ、部屋が狭いので、研修生たちは少し窮屈そうな感じでした。
 研修生は総勢26名でそのうち男性が3名です。北京の首都師範大学の学生は数人で、残りは江蘇省や貴州の大学などからの学生たちだそうです。日本語のレベルには、学生の間で差があるようで、私の日本語が良く分からなかった、という学生もおりました。また私の質問にもなかなか日本語が出てこなかったり、日本語を良く話せなかったりする学生もおりました。大分ゆっくり話したつもりですが、もう少しやさしく話した方が良かったかなとも考えています。
 質問や意見はあまり出ず、日本人の学生に似ている感じです。それなのに、授業が終わってから質問しに来た生徒が2人おりました。そのうちの一人は広島大学で環境学を勉強したいと言っておりました。また、私にメールしたいと言って、私の名刺を所望しました。

4.2011.2.12 西川恭治 「日本の文化と遊び?百人一首かるた?」

 「日本の文化と遊び―小倉百人一首かるた―」という題を与えられ、理系の人間として戸惑いました。一昨日、吹雪の中、花房先生に大変ご迷惑をおかけして、また広大かるた部の女子学生二人に助けてもらって、何とかやりました。最初30分間、小倉百人一首に選ばれた短歌の簡単な説明、それを使った伝統的かるた遊びについて説明し、その後和室に移動して、全員にちらし取りと坊主めくりを体験してもらい、最後に広大かるた部による競技かるたのデモをして、終わりました。短歌の説明の部分は、古文を習っていない留学生達にとっては、私の下手な説明は全くちんぷんかんぷんだったようで、後で通訳の方に説明してもらってようやく理解したようです。実技体験では、特に坊主めくりで盛り上がり、後でかるたの札をどこで売っているか聞きに来た子もいました。花房先生からは、最後の競技かるたを、日本の伝統的遊びにおける礼の正しさを知ってもらうためにも、もっと丁寧に説明してほしかった、と言われました。

5.2011.2.13 黒川正流 「リーダーシップと職場」

 2週間研修の「中日」だったそうです。「職場とリーダーシップ」というテーマと「日本事情」の整合性に若干の齟齬を感じながら、配布資料を渡してパワーポイントで講義しました。集団圧力や集団規範をかえる要因としてのリーダーシップの理論と企業調査の実例を話したつもりですが、肝心の理解のほうがどうだったのか。集団実験の説明は適宜、通訳がやってくれました。日本人学生には望めないような、居眠りなし私語なしの教室でした。